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大坂秩加展

7月14日(土)‐7月29日(日)
11:00-19:00(最終日17:00閉店)
水・木定休

私は作品を実際につくる前に、まず戯曲の一部分のような台詞を考えます。 この台詞をモチーフとし、作品の媒体・構図を決めていきます。モチーフとして書く台詞は、たまたま覗き見てしまったような他人にとってのリアルの一部であり、その台詞が発せられるまでの過程や結末などは重要ではありません。前後の分からない断片的な台詞であっても、その人物を肯定したくなるようなものをつくるようにしています。  モチーフに選んだ言葉をテキストとして発表する際、筆跡にもこだわり文字を起こしたものを、あえて版に移し、ノートなどその人物が実際に使用していそうな媒体に摺り直すということをします。このとき版画を使用するのは、間接性という理由からです。直接媒体に書き込むのとは違い、版画は筆記と出来上がりの間に版を介在させます。たとえ日常を描いた舞台であっても、それが演劇になった時点で非現実になるように、その間接性はリアルからフィクションへと変化します。モチーフとする台詞はあくまでも私が創った内容であるため、手書きが生み出す生々しいリアリティを抑えるために、版を介する必要があります。  悲惨な状況下でも改善のためにもがく様や、その状況がもはや当たり前になりその中で楽しさを見つけ生活をする様など、それぞれの事情を背負い社会で生きていく人々の日常の断片を、作品を通して表現したいと思っています。