KYOTO ARTZONE
KAGURAOKA
2024年~2025年
第5回
シードストーリーズ24-25(小さな版画展)
2024年12月7日(土) ー12月15日(日)
13:00-19:00 ※最終日17:00まで
定休日:火・水・木
例年開催の本展覧会は今年も作家25名の参加を得、全国各地で開催されます。
◎期間限定特価 @9,900円(税込)2025年1月末まで
◎版画作品 限定40部(作家数名は60部)
◎全作品は会期前に閲覧できます。
◎6点以上お買い上げの場合、額縁1点進呈


陳憶誠展
11/2(土)‐11/17(日)
13:00-19:00 ※最終日17:00まで
定休日:火・水・木
陳 憶誠
Chen Yicheng
台湾国際版画協会 会員
1996 | 台湾高雄生まれ
2023 | 京都芸術大学 大学院美術研究科絵画専攻版画修了
2024 | 第26回鹿沼市立川上澄生美術館木版画大賞 準大賞
第12回高知国際版画トリエンナーレ展賞候補
第21回中華民国国際版画ビエンナーレ展優秀賞
Exchanging Texture (Print Center New York / New York
日常メモ
「日常メモ」木版画創作展では、油性木版画の彫り進み技法を用いた作品が展示されている。制作のプロセスでは、同じ木版に毎日少しずつ彫り、摺りを重ねて進行していく。作者はこの過程において特定のルールを設け、語学教科書に見られるような規則的な目を木版に彫り、その中に繰り返し線を刻んでいる。
この作業は、まるで文字を書くような感覚で行われており、作者はすべての文化における「文字」の基本が「線」であることに気づいたことから、自分の「文字」をどのように感じてもらうかを考え、すべての文字を一本の直線に簡略化し、それをシンプルな直線で表現している。観客には、線を理解するのではなく、感覚的に捉えることが求められている。


柴田若奈展
10/12(土)‐10/27(日)
13:00-19:00 ※最終日17:00まで
定休日:火・水・木
在廊日10/14(月)、21(月)
メッセージ
「コラグラフ」という版画技法を用い、身の周りで見つけたモチーフを描きました。色々な素材を用いて製版するコラグラフの魅力をお伝えできれば嬉しいです。
プロフィール
2016 大分県立芸術緑丘高等学校美術科油画専攻 卒業
2019 國立台南藝術大學 材質創作與設計系 半期留学
2020 愛知県立芸術大学美術学部美術科油画専攻 卒業
2023 京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻 修了
活動歴
2021 PORTO DI STAMPA 2021(アートゾーン神楽岡/京都・B-gallery/東京)
2022 PORTO DI STAMPA 2022 (アートゾーン神楽岡/京都・B-gallery/東京)
2023 第21回アートギャラリーホーム展(チャームプレミア御殿山参番館/東京)
2023京都市立芸術大学制作展(京都市立芸術大学/京都)
2023 個展『昨日あったこと』(Hideharu Fukasaku Gallery Roppongi/東京)
2024 六角烏丸アートプロジェクト(チャームプレミア六角烏丸/京都)
2025年1-2月金沢湯涌創作の森 アーティスト・イン・レジデンス事業へ参加予定
受賞歴
2021 第1回 NAGOYA INNOVATOR’S GARAGE賞 受賞
2021 第46回全国大学版画展 優秀賞
2022 第1回FEI PURO ART AWARD 大賞
2022 第7回星乃珈琲店絵画コンテスト 優秀賞
2022 京都銀行美術研究支援制度 選出
2023 第21回アートギャラリーホーム 日建ハウジングシステム賞
2023 京都市立芸術大学制作展 同窓会賞
2024 京都六角烏丸アートプロジェクト 日本建設賞
2024 第14回大野城まどかぴあ版画ビエンナーレ まどかぴあ未来賞
コレクション
星乃珈琲店・京都銀行・チャームケアコーポレーション


糸鋸で金属パーツを切り出す方法『透かし』で制作したピアス、イヤリング。
真鍮を『腐食』させ模様を施したバングル、ヘアアクセサリー。
シルバーの線から制作した組み合わせて楽しめるイヤーカフ。
など、様々な技法から生まれる金属の表情を楽しめるアクセサリーを制作。
シンプルでありながら印象的なアクセサリーをファッションのアクセントとして楽しんでいただけたら嬉しいです。
https://www.instagram.com/sawako_kataoka_accessory/?hl=ja






荒木珠奈展
6月29日(土)~7月17日(日)
13:00~19:00
※最終日17:00まで
火・水・木定休
来廊日29日
私の作品には舟、椅子、蛇、虹、蝶、サーカスなどのモチーフが繰り返し出てきます。
近年、北米とメキシコの間で渡りをする蝶々たちに、移民や自分の姿を重ねて描いています。
蝶が羽を広げたようなテントは、避難所、隠れ家の象徴としてこれまでも作ってきましたが、最近ではそのテントが灯台のようなイメージも持ち始めました。
混迷の続くこの世界でも、遠くに光る一筋の光を見たいという願いからかもしれません。
今回は銅版画に加え、*セラミック(陶器と磁器)の立体作品を展示いたします。
荒木 珠奈(あらき たまな)
Tamana Araki
東京都出身。
メキシコ留学時代に版画の技法に出会い、90 年代から、版画、立体作品、インスタレーシ ョンなど幅広い表現の作品を発表。
ワークショップを通じて、こどもやメキシコの先住民などさまざま な人々と共同で作品制作も行う。
現在はニューヨークを拠点に、自身のペースで活動を続けている。
1991 年武蔵野美術大学短期大学部卒業
1993-94 年メキシコ国立自治大学美術学部/サン・カルロス大学院(聴講生)
1997 年武蔵野美術大学造形学部卒業(学士)
2004-05 年メキシコ国立エスメラルダ美術学校(招待作家/ポーラ美術振興財団在外研修員)
現在ニューヨークを拠点に活動
主な個展
1999 年「うち」Gallery Jin(東京)
2008 年「MAM プロジェクト 008:荒木珠奈」森美術館ギャラリー2(東京)
2018 年「インプリントまちだ展 2018 荒木珠奈 記憶の繭を紡ぐ」 町田市立国際版画美術館(東京)
2022 年 「Itinerant Eyes」Culture Lab LIC(ニューヨーク)
2023年 うえののそこから「はじまり、はじまり」荒木珠奈展 東京都美術館(東京)
主なグループ展
2002年「Traces, Imprints and Tales: Japanese Contemporary Art Draws From Tradition」Kerava Art Museum(ケラヴァ)
2009 年「City_net Asia 2009」Seoul Museum of Art(ソウル)
2019 年「MOT サテライト 2019 ひろがる地図」東京都現代美術館(東京)
パブリックコレクション
武蔵野美術大学 美術館・図書館、浜田市世界こども美術館、東京都現代美術館、町田市立国際版画美術館


第3回TKO国際ミニプリント展2024
[東京→京都→大坂]
6月8日(土)ー6月16日(日)
13:00~19:00 ※最終日17:00まで
火・水・木 休み
4年ぶり、3回目開催となる本展は40ヶ国、238作家、410点の応募がありました。
別紙のように東京会場での展示を終え、第2会場は京都・アートゾーン神楽岡で開催いたします。
各国の多彩な版画表現をぜひご覧ください。



『20世紀のアートの流れを版画で振り返る』9
戦後のアメリカを核にして新潮流
デビット・フォックニー
ドナルド・サルタン
ナンシー・グレーブズ
A.R.ペンク
4月19日(金)~4月21日(日)
13:00~19:00
火・水・木定休
2月から4月にかけて毎週末に表記テーマで展覧会を開催してまいりましたが今回で最終です。
是非ご覧ください。
デヴィット・ホックニー
David Hockney
1937-
英国のブラッドフォード生まれ。ロンドンのロイヤル・カレッジ・オブ・アート在学中に若手現代芸術家展に出展しポップアート運動に参加しましたが作風は表現主義的でした。63年から画商を通じ作品を発表するようになり、同年ニューヨークに渡り、64年からロサンゼルスに、気候風土を気に入り長期滞在することになりアクリル素材でプールを描いた作品群を制作しました。これ以降、各地を旅行して回りロンドン、ニューヨーク、エジプト、中国等にも長期滞在して制作しています。彼は様々な素材を利用しており、油彩以外にクレヨン、スナップ写真をコラージュしたフォト・コラージュ、版画(銅版画、リトグラフ等)、さらに80年以降になると業務用コピー、ファックス、デジタル画像の利用など先端技術を果敢に取り入れ多彩な表現に挑戦し、大画面の作品も多く制作しています。今世紀最も高名な作家でしょう。

ドナルド・サルタン
Donald Sultan
1951-
米国ノースカロライナ州アッシュビル生まれ。画家、彫刻家、版画家です。趣
味で絵を描く両親のもとに育ち彼も興味がありました。73年ノースカロライナ大学卒業後、アート・インスチチュート・シカゴで学びました。在学中、通常の絵画素材や器具では満足せず、工業用素材や機具、特にエナメルやビニールタイルなどで大型サイズの作品を創り始めました。77年以来各国の画廊で紹介され、また、ホーストン、シカゴ、ロスアンゼルス、ブルックリンなどの美術館でも展覧会が開かれました。又彼の作品はアメリカの主要(Moma,メトロポリタン、ボストン、シカゴなど)な美術館に収蔵されています。また、受賞歴も多数。現在も活躍中です。

ナンシー・グレーヴズ
Nancy Graves
1940-1995
米国マサチューセッツ州ピッツフィールド生まれ。バークシャー博物館館長だった父親の元、彼女は博物館の収集品に親しみ、自然科学、歴史、文化研究などの分野に興味を広げ、彼女が芸術への道に進むのに大きな影響を与えました。ヴァッサー大学、イエール芸術建築学校に進学し、64年に奨学金を得て、パリやフィレンツェ等に訪れました。当地の解剖学者の蝋人形に注目、視覚美と自然界の組み合わせに触発されラクダの彫刻を作りました。この活動が評価されホイットニー美術館で女性最初の個展が開かれました。以降、彫刻に古生物学的、人類学的イメージを盛り込む作品を創りました。また、70年以降映画製作も行いました。一方、絵画制作として、リソグラフ、スクリーンプリント、モノタイプ、銅版画など版画制作も極めました。彼女の大きなテーマは自然環境と人類とのかかわりで、初期はラクダの骨格から作成した立体物、映画でのラクダの行動の記録や航空写真の取組、版画では月の地図などで独特の空中風景を作成しました。癌のため55歳で亡くなりました。

A.R.ペンク
A.R.Penck
1939-2017
本名はラルフ・インクラー(Raif Winkler)。奈良美智のドイツ留学中の教授。画家、版画家、彫刻家、ジャズのドラマー。ナチス支配下のドイツのドレスデンに生まれ。敗戦後共産圏東ドイツで、独学で絵画を学び、東ドイツで頭角を現し68年初個展をケルンで開催しました。彼の絵画は洞窟壁画を思わせる原始芸術の影響を受けたもので独自の図像言語を用いた棒状の人物表現で知られ、新表現主義の先駆者のひとりと言われています。80年に西ドイツに亡命し、バゼリッツ、リヒター、インメンドルフらと共にデュッセルドルフ芸術アカデミーで教鞭をとりました。当時留学していた奈良美智はA.R.ペンクに師事しました。また、ジャズ・ドラマーとしても有名で80年代には世界的ミュージシャンと共演しました。


『20世紀のアートの流れを版画で振り返る』8
戦後のアメリカ
ポップ等多様な表現
ロイ・リキテンシュタイン
フランク・ステラ
リチャード・エステス
ソル・ルイット
4月12日(土)~4月14日(日)
火・水・木定休
2月から4月にかけて毎週末に表記テーマで展覧会を開催します。是非ご覧ください。
第9回
4月19日(金)~4月21日(日)
新表現主義等
A・R・ペンク、サルタン、ナンシー・グレーブス、ホックニー
以上、ご来場をお待ちしています。
戦後のアメリカ
第2次世界大戦後、アメリカを中心に50年代に抽象表現主義、60年代にポップ・アート、70年代にミニマルアート、スーパーリアリズム、その後にコンセプチュアル・アートなどの絵画運動が次々に起こりアート表現が多様化、活性化していきます。
ロイ・リキテンスタイン
Roy Lichtenstein
1923-
ニューヨーク生まれ。40年、オハイオ州立大学美術学部進学、49年修士号を取得。以降大学講師をしながら制作、60年代初頭に漫画表現のインパクトに気づき、事物を太い輪郭で平面として描き、色彩も三原色で、陰影はドットの大小で表現しました。第2次世界大戦後、大量生産と大量消費の時代の広告メディアを取り上げたアンディ・ウォーホルと共に、漫画という大衆文化を絵画の素材して扱うこの手法は、ポップアートの旗手として世界的な影響を与えました。このポップアートの出現は50年代の抽象表現主義の全盛に対するアンチの運動で、既製品をそのまま使用する「ネオダダ」や反芸術運動に同調するものでした。

フランク・ステラ
Frank Stella
1936-
アメリカのボストン生まれ。54年にプリンストン大学に入学し美術史を学びました。卒業後、ジャスパージョーンズの作品「旗」を観て感銘し、ブラック・シリーズの制作を始めます。この初期作品はミニマル・アートの先駆けとなりました。このシリーズのミニマリズムとは最小限、最低限のモチーフで作品を表現する手法です。59年にニューヨーク近代美術館で開催された「16人のアメリカ作家展」に選出され一躍話題の作家となりました。70年代後半から幾何学的な平面作品から立体的な作品を作り始めました。この作品はさらに進化し立体物を組み合わせた大画面のダイナミックな作品へと変貌しました。日本では千葉県にある川村記念美術館が大きな立体絵画を収集しています。09年アメリカ国民芸術勲章(米国で最も栄誉ある勲章)を受けています。

リチャード・エステス
Richard Estes
1932-
イリノイ州キワニー生まれ、シカゴに移り住みシカゴ美術館の学校で写実主義絵画を研究しました。卒業後ニューヨークに移り出版社、広告代理店などでグラフィックアーティストとして働きながら、60年代に自ら撮影した写真を忠実に再現する絵画形式を確立しました。同方向を目指す画家たちと共にフォトリアリズム(スーパーリアリズム)運動の創始者と見なされています。彼が描くものは、埃など一切無く隅々までクリーンで、日光が差し込み、ガラス窓に他のビルが反射し写り込んでいる建造物風景が多く、照明や時間帯により変化する反射光線など肉眼では捉えきれない細部を表現していて写真以上にリアリティがあります。彼の作品はメトロポリタン美術館など多くの美術館に収蔵されています。

ソル・ルウィット
Sol LeWitt
1928-2007
コネチカット州ハートフォードでユダヤ系移民の両親のもとに生まれました。シラキューズ大学、ニューヨークのスクール・オブ・ヴィジュアル・アーツで美術を学び、以降グラフィックデザインの仕事を経てニューヨーク近代美術(MoMA)の職員となりました。67年に「アートフォーラム」誌にコンセプチュアル・アートの概念を提示しました。この概念は「作家がアイデアやプランニングを事前に用意・決定していることが重要で有って制作行為には意味がない」との宣言です。この宣言は多くの作家に衝撃を与え世界的な広がりを見せました。68年より、自ら関与することなく指示書に基づき第三者に制作を委ね、「ウォール・ドローイング」シリーズを展開し、以降生涯で1200点以上彼の作品として制作されました。ルウィット亡き後も彼の指示書に基づき指定されたドラフトマンの手により制作は継続しています。

『20世紀のアートの流れを版画で振り返る』7
ウィーン幻想派
エルンスト・フックス
カール・コーラップ
パウル・ヴンダーリッヒ
アリク・ブラウワ
4月6日(土)~4月8日(月)
13:00~19:00
火・水・木定休
2月から4月にかけて毎週末に表記テーマで展覧会を開催します。是非ご覧ください。
第8回
4月12日(金)~4月14日(日)
アメリカの戦後
ステラ、ソル・ルイット、リキテンシュタイン
第9回
4月19日(金)~4月21日(日)
新表現主義等
A・R・ペンク、サルタン、ナンシー・グレーブス、ホックニー
以上、ご来場をお待ちしています。
「ウィーン幻想派」とは
ウィーン幻想派は、第二次大戦直後のオーストリアの首都ウィーンに出現した、奇妙な幻想絵画を描く画家たちの一団である。ウィーン美術学校のギュータースロー教授のもとに集まった5人の若い画家たち-ルドルフ・ハウズナー、ヴォルフガング・フッター、アリク・ブラウアー、アントン・レームデン、エルンスト・フックス-の作品は、お互いに主題も技法も問題意識も大きく異なっていながら、細密描写と鮮烈な色彩によって具象的なイメージを描いている点、幼少期の記憶や過酷な戦争体験を自己の芸術の下敷きとしている点、社会と人間存在の暗黒を戯画的に描こうとする点などにおいて共通項を持っている。また、ウィーン世紀末芸術やシュールレリスムの正当な後継者であり、西欧美術の中で続いてきた幻想絵画の系譜の末裔でもある。
パウル・ヴンダーリヒ
Paul Wunderlich
1927-2010
1927年ドイツに生まれ。
第2次大戦兵役後、ハンブルグの美術学校に入学しリトグラフを学びました。在学中リューベックで個展。51年から60年まで母校でリトグラフを教えるかたわら、マンハイム青年版画展に出品、ドイツ賞を受賞し注目されました。その後3年間パリで制作活動をし、64年にカッセルの「ドクメンタ3」に出品。65年頃から、写真家である妻カリンが撮影した裸婦写真をリトグラフや絵画の素材として用い、かもし出されるエロチシズムをシュールレアリスムやドイツ表現主義の伝統と結びつ
けながら精密な作風で表現しました。68年、東京国際版画ビエンナーレ展で神奈川県立近代美術館賞受賞、ウイーン幻想派グループ系列の作家として取り上げました。

エルンスト・フックス
Ernst Fuchs
1930 – 2015
オーストリアの画家、製図家、版画家、彫刻家、建築家、舞台デザイナー、作曲家、詩人という多彩な作家です。 45年にウイーン美術アカデミーに入学し、ブラウアやハウズナーなどと知り合い、彼らと共にウイーン幻想派を創設しました。ウイーン幻想派はクリムトやエゴンシーレ、またユングの心理学や錬金術などに影響を受け、内面から発露する幻想的イメージを画材としたグループです。また、フンデルトワッサーとも知り合い表現主義のグループとも交流がありました。60年にイスラエルのシオン山に籠り洗礼を受け宗教的イメージを交えた幻想絵画も多く描きました。88年に廃墟となったオットー ワーグナーヴィラを購入しエルンスト・フックス美術館として開館しました。85歳で亡くなりました。

アリク・ブラウワー
Arik Brauer
1929-2021
オーストリアの画家、版画製作者、詩人、ダンサー、歌手で舞台演出家など多彩な顔を待った作家です。ユダヤ系の父を持ち、少年期にナチスによるユダヤ人迫害や強制労働を体験しました。戦後、 45年にウィーンの美術アカデミーに入学、翌年よりギュータースローに師事しました。55年にユダヤ系女性と結婚し、自身の名をドイツ語のエーリヒ(Erich)からヘブライ語で「神のライオン」を意味するアリク(Arik)に変更。56年、ウィーンで初めての個展を開催しました。 1960年
代から本格的に絵画制作に取り組み、以後パリ、ウィーン、イスラエルを拠点に活動しました。1980年代以降はウィーンの分離派美術館など国内外の美術館で展覧会が開催され画家としての評価を確立しました。

カール・コーラップ
Karl Korab
1937~2003
オーストリア・ウイーン生まれ。
1937年オーストリアのファルケンシュタインで生まれ、8歳の年に第2次世界大戦が終りました。その後、ウィーン美術学校に学びました。彼の初期作品には幼児時代の戦争体験が現れたり、ギザギザの幾何学的な都市景観が現れています。50年代後半にウィーンに移り住み、エルンスト・フックス等と出会いました。58年ヒューガー・メダルとマイスターシュール賞を受賞、さらに翌年フックスが主宰するが画廊で最初の個展も開いています。その後多くの受賞を重ねました。仮面や人物の顔だけを拡大し、それと無関係なものを並置させて異様な風景を現わす等、シュールな作風の幻想派の影響がみられます。現在、彼の作品はウィーンのストラバグ美術館などで展示・収集されています。


『20世紀のアートの流れを版画で振り返る』5
抽象表現の世界的動向1
ロバート・マザウエル、サム・フランシス
アントニー・タピエス、アントニー・クラーベ
3月15日(金)~3月18日(日)
13:00~19:00
火・水・木定休
2月から4月にかけて毎週末に表記テーマで展覧会を開催します。
是非ご覧ください。
尚、次回⑥は「抽象表現の世界的動向 その2」です。
抽象表現の世界的動向1
20世紀中期、第2次世界大戦後、フランスにアンフォルメル、北欧にコブラ派、アメリカに抽象表現主義、日本でも具体美術が生まれ、同一傾向のムーブメントが世界的に起きました。今回は欧米を取り上げます。
ロバート・マザウェル
Robert Motherwell
1915-1991
ジャクソン・ポロックらと共に米国抽象表現主義を代表する作家です。
カリフォルニア美術大学、スタンフォード大学、コロンビア大学等で絵画、哲学、美術史を学びました。
コロンビア大学では亡命中のロベルト・マッタ等に出会いシュルレアリズムを知り、潜在意識を記録するオー
トマティズム手法を学び制作し始めます。
それはアメリカの前衛運動となる抽象表現主義の基礎理論となりました。
44年に作品がMOMAにコレクションされました。
これ以降ジャクソン・ポロック、マーク・ロスコらと共にアメリカ前衛芸術グループの中心人物として活躍します。
妻はヘレン・フランケンサーラ。
日本の和紙にも関心を寄せ和紙を使用した作品もたくさん残しています。

サム・フランシス
Sam Francis
1923-1994
カリフォルニア州サンマテオ生まれ。
第2次世界大戦中、飛行訓練中に事故に遭い入院中に絵を描き始めた。
回復後、大学で絵画と美術史を学び、50年にパリにわたりデビューをした。
アンフォルメルや抽象表現主義の流れの作家であるが、57年に来日し日本の美に魅了され、余白を生かした画面構成、にじみを生かした表現方法などを取り入れた。
ニューヨーク、パリ、東京にアトリエを構え、勅使河原蒼風等日本の文化人とも広く交流した。
出光美術館にも多く彼の作品が収蔵されている。

アントニ・タピエス
Antoni Tapies
1923-2012
スペイン・バルセロナ出身。
バルセロナ大学で法律を学ぶも画家の道に進みます。
ミロやクレーの影響を受けシュルレアリストたちの会に入りますが、50年にパリでアンフォルメル(不定形の芸術)を知り、大きく影響を受けました。
長い試行錯誤の上、土や砂を混ぜ込んだ絵具で深みのある画面構成をするに至り、怒りや絶望を表現する工夫もしました。
53年にサンパウロ・ビエンナーレ優秀賞受賞以降、数々の賞を取りアンフォルメルの作家として注目されるようになりました。
70年以降はオブジェについて追及し、立体的で壁に掛けられる作品も多く作成しました。
90年にタピエス財団を設立し若手芸術家を支援しました。
また、東洋の文化も深く研究し、同年高松宮殿下記念世界文化賞も受賞しています。

アントニ・クラーベ
Antoni Clave
1913-2005
バルセロナの美術学校で学びました。
初期はボナールなどの影響を受け絵具とコラージュを組み合わせたような情緒的な作品を創っていました。
スペイン内戦が始り難民としてパリに逃れ、イラストレーターとして働きました。
40年、パリで最初の個展をしました。
また、彼の演劇デザインが映画、演劇、オペラ、バレエのセット等に利用され舞台美術の権威として活躍、さらに60年から彫刻的浮彫り、アッサンブラージュなどにも取り組みました。
晩年は完全な抽象的表現になり、表現豊かな線を使用し、コラージュ、オブジェ、陰影、質感、色の境界を追求し評価を受けました。
シュルレアリズムやアンフォルメルの中心人物でもなく、運動を牽引した人物でもないですが版画の作風は抽象表現主義の
ものが大変多いです。

『20世紀のアートの流れを版画で振り返る』6
抽象表現の世界的動向2
デビュッフェ
フンデルトヴァッサー
アペル
アレシンスキー
3月22日(金)~3月24日(日)
13:00~19:00
火・水・木定休
2月から4月にかけて毎週末に表記テーマで展覧会を
開催します。是非ご覧ください。
尚、次回7回は「ウイーン幻想派」です。
抽象表現の世界的動向②
20世紀中期、第2次世界大戦後、フランスにアンフォルメル、アメリカに抽象表現主義が生まれましたが、プリミティブな筆遣いのコブラ派、精神障害を負う人たちや幼児達の生の絵画アール・ブリュット等、内発的衝動的絵画を追及するムーブメントが世界的に起きました。
カール・アペル
Karel Appel
1921-2006
オランダ・アムステルダム生まれ。
19歳からアムステルダム王室美術学校で学び、46年に初個展を行いました。
ピカソやマチスやデビュッフェの影響を受け、原始的でエネルギッシュに満ちた原色の人物像などを描きましたその中で、絵画仲間を集い、北欧を拠点とする芸術家集団「コブラ」を結成し中心人物として活躍しました。
50年にはパリに移転し、以降各国で展覧会を開き国際的名声を得ました。
また、美術評論家ミッシェル・タピエに出会い抽象絵画運動のアンフォルメルにも参加しました。
絵画以外に色彩豊かな巨大レリーフ、ポリエステルで色彩豊かなユーモラスなオブジェ、壁画、版画などにも挑戦しました。
70年以降ニューヨークに移住し活躍をつづけました。

ピエール・アレシンスキー
Pierre Alechinsky
1927 – 現存?
ベルギーのブリュッセルに生まれ、中等教育時から美術学校に通い、挿絵や本の装幀や版画を学びました。
47年に個展を行いましたが、その時にプリミティブな作風で注目されていたコブラ派グループに誘われました。
以降、57年コブラ派解散後もそのアクティブな表現手法を継承し、伝統的絵画にとらわれない絵画表現を模索していきました。
模索の過程で日本の前衛書道の書物に出会い衝撃を受け、27歳の時に来日します。
日本では書道関係者に出会い、書道家の身体的動きに注目し、体全体を動かして描く書の動作を取り入れました。
また書の前衛的な形象や、コミックの間取り手法も取り込んだ作品をたくさん残しました。
その作風は抽象、具象でもなく筆の力に任せた筆力で描かれた心象画の様です。